とても久しぶりです。すみません!
先日、昨年から着工し、2月に竣工した住宅の完成見学会がありました。
見学会で、左官職人の鈴木さんと、見学にいらしていた左官など中心に記事にされてきた編集者さんとお話していた時に、ふと泥団子の話になって、
その話の流れで砂団子の話に展開しました。

「光れ!泥だんご 普通の土でのつくりかた」 講談社 監修 加用 文男 絵 門田 律子
大学生の時児童館(学童保育)でアルバイトをしていたことがあって、その時に初めて子どもたちとこの本を読み、夏休みの夕方汗だくになりながら毎日泥団子を作った記憶。
いや、それが砂団子だったんですよね。(私は元々保育士だったのですが)保育士時代にも、子どもたちと毎日砂団子(いや、子どもとは「泥団子」って言ってますよ)を作り、一人ずつに牛乳パックで保管箱を渡して、子どもたちは一人一人誰にも見つからなさそうな場所に隠して‟熟成”させていました。靴箱の上とか物置の下とか裏のほっそーい隙間とか。
で、左官屋さんからしたら「え!?砂!?…???」の状態なんだそうで。そんなことは気にも留めず、子どもたちはせっせと毎日「砂団子」を作るのです。恐らく今でも子どもたちの大半はそうだと思います。
昔の人がそこに土があったから土壁を塗ったのと同じように、子どもたちもそこに砂場があるから「砂団子」を作るのです。
砂は泥にならないから、バケツに砂を入れて水を入れて「砂泥」を作ってにぎにぎ…砂場に水をかければ全部吸い込んじゃいますから、バケツの中に砂泥状態を作るんです。
そしてある程度固まったら、自分も小さい頃から信じていたのですが、「さらさらの白砂」をかけまくって固める。さらさらにするためにはふるいにかけます。
左官屋さんからしたら、砂は固まらないよね?なんだけど、子どもたちは固くなっていたら固まっているのと同じなんです。落とせば壊れることは気づいているから、大事に大事に扱います。
白砂をかけて固くなってきたら、手のひらで砂の粒をとるようになでなで。極めたい子どもは、本も読んでいるのでウエスを欲しがります。私もそのために用意していたなぁと思い出しました笑。
しかし、本を読みながら、光ったらとても嬉しい!光らせてみたい!とは思うのですが、多分そこが一番じゃないんですよね。いや、そこが目的にはなっているのですが。
上に書いたような工程を夢中で繰り返す中できっと湧き上がる探求心でこの工程をひたすらに続けていることに意味があるのかなと思ったりします。
はい、めんどくさい人なんですがこんな話を左官のプロの前で熱く語ってしまったというわけです笑。

でも、その作業に深い意味があると信じていて、ドロドロの砂でも土でも(子どもにとってはどちらでもいい)握って固めて、更に固めるにはどうすればいいか。考えて砂をふるってかける。必要だったら水をまた足す。これは集団になると山づくりにも発展していきます。山にトンネルを掘るためにも同じ工程を踏む子どもが多いかと思います(たまにせっかちな子どもがみんなの了承なしに穴掘っちゃって山が崩れることもしばしば笑)。
団子を初めに光らせたかったのは大人なのではないかと思っていて(いや、子どもの発想から生まれているかもしれないので、思っているだけです)、でも「泥の団子が光る!」 そういう発見があって、光る泥団子の情報が開放され、砂泥団子で遊びつくした子どもたちが「光る?それならば是非やってみたい!」「堅い光った団子を作るには土が必要なのかー!!」と気づくのではないかと自分は思っています。これまでの経験を重ねた中で、「だんごが光る!?」って子どもにとっては魅力的なのではないでしょうか。そしてこういう子ども時代の気づきが、もう少し大きくなった時に自然と知識にも繋がっていくような気がしていて、砂では限界があって、土だからこそ光る意味が分かっていくと、更に知識欲は深まるよなぁと思ったり…。
そしてもう一つ面倒で申し訳ないんですが発達面でいうと、この団子づくりの遊びって、ドロドロの感触を味わう、握る力、握っているうちに手にくっつかなくなり、サラサラの砂をかけることで肌触りが変わる。こんな過程の中で手先の発達も促してくれるのですよね。しかもなんか落ち着く~。
私も庭で土をいじっていると夢中になって気持ちが穏やかになります。
いろいろと話は飛びましたが、まさか「泥団子」「砂団子」の話でここまで自分が熱く語るとは思っていなくて驚きました笑。

でもこういったことを考えていると、子どもって日常の中で土壁に近い作業をしているのではないかと…。土壁ワークショップであんなに食いつくのも慣れているからなのでしょうかね。
最終にどのように話を結べばいいか分からなくなってしまったのですが、面白い泥砂団子談義だったので、記録に残してみました。
長々語ったのになんだよ!と思われるかもしれませんが、これらを踏まえた上で、私も本物の土をつかった光泥団子は作ってみたい。と思っていて、そんな機会があれば挑戦してみたいと思っています。
長文読んでいただいて、ありがとうございました!
ブログ、また少しずつ書いていきます。
Hisae
Kommentare